日米の建設コスト 価格差ゼロ
円安・不況のおかげですが・・・
「米国より3割も高い」と批判されている日本の建設費だが、米国との価格差はほとんとゼロになったことが、建設省のまとめで分かった。円安が進んだうえに、不況で日本の資材価格が下がったことが主な理由だ。建設省は「価格差が3割もあったのは為替レートの影響が大きかった」と強調、「日本の公共事業は非効率」という声に反論している。
調査は、1998年中に日米で実施された工事各3件をもとに、資材費や人件費を調べて、米国を1とした場合の日本の建設コストを割り出した。土木工事は1.05でほぼ並び、建築は0.97で逆に米国を下回った。93年の前回調査では、日本の建設コストは土木工事が1.34、建築は1.35と3割余り高かった。
日本のコストが下がった最大の理由は、前回調査では1ドル111円だった為替レートが今回は131円になったことだ。1ドル=131円にして為替変動の影響を除いて調査結果を比較すると、土木の縮小幅は0.08ポイント、建築は0.17ポイント。
ただ、土地取得や立ち退きなど補償にかかる費用は「事業の効率性とは無関係」として調査対象から除かれている。ともに、公共事業費を押し上げる原因の一つだけに、これらを加えれは、日本のコストが高くつきかねない。
《出典》朝日新聞 (11/04/26) 前頁      次頁