これで談合なくなる!?
ネット入札顔合わせなし
建設省がインターネットによる入札の準備を進めている。参加業者がパソコン画面で金額を打ち込むと、インターネット経由で役所のコンピューターに入力され、入札当日は画面上で金額を競う、という仕組み。
業者も役所の担当者も顔を会わせずにすみ、談合防止にも一役買うというふれこみ。十月に試行する。
工事の公告、説明、入札参加申請、資格確認、資料配布など、入札前のやり取りも、すべてインターネット経由とする。パスワードなどで、外部からの侵入を警戒する仕組みは、通常のパソコン通信と同じ。
いくつかの数式で素因数分解を組み合わせるなどして暗号化した金額を業者に事前に打ち込ませたうえで、当日、どの暗号方式を使ったかを連絡させて一斉に解読する方法などを検討している。
ただ、コンピュータートラブルで数字や文字が化けないのか、情報が届いているかどうかの確認をどうするか、コンピューターを使えない業者をどうするかなど、懸念材料はいくづもある。
そもそも談合防止劾果についても「どのみち、参加しそうな顔ぶれは業界内で分かる」(建設業者)との疑問もある。
それでも今回、実現すれは世界でも珍しい試みだという。十月に三十社程度が参加する二億円以上の入札について実験し、来年度以降、早い段階での本格実施を目指す。
《出典》朝日新聞 (10/06/05) 前頁      次頁