◀前 【06.雍也:第01】 次▶
子曰。雍也可使南面。仲弓問子桑伯子。子曰。可也簡。仲弓曰。居敬而行簡。以臨其民。不亦可乎。居簡而行簡。無乃大簡乎。子曰。雍之言然。
のたまわく、よう南面なんめんせしむべし。仲弓ちゅうきゅうそうはくう。のたまわく、なり、かんなり。仲弓ちゅうきゅういわく、けいかんおこない、もったみのぞまば、ならずや。かんかんおこなわば、すなわ大簡たいかんなることからんや。のたまわく、ようげんしかり。
先師がいわれた。――
ようには人君の風がある。南面して政を見ることができよう」
     *
仲弓が先師にそうはくの人物についてたずねた。先師がこたえられた。――
「よい人物だ。大まかでこせこせしない」
すると仲弓がまたたずねた。――
「日常あくまでも敬慎の心を以って万事を裁量しつつ、政治の実際にあたっては、大まかな態度で人民にのぞむ、これが為政の要道ではありますまいか。もし、日常の執務も大まかであり、政治の実際面でも大まかであると、放漫になりがちだと思いますが」
先師がいわれた。――
「おまえのいうとおりだ」(下村湖人『現代訳論語』)