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【19.子張:第20】
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子貢曰。紂之不善。不如是之甚也。是以君子惡居下流。天下之惡皆歸焉。
子
(
し
)
貢
(
こう
)
曰
(
いわ
)
く、
紂
(
ちゅう
)
の
不
(
ふ
)
善
(
ぜん
)
は、
是
(
か
)
くのごとく
之
(
こ
)
れ
甚
(
はなはだ
)
しからざりしなり。
是
(
ここ
)
を
以
(
もっ
)
て
君
(
くん
)
子
(
し
)
は
下
(
か
)
流
(
りゅう
)
に
居
(
お
)
ることを
悪
(
にく
)
む。
天
(
てん
)
下
(
か
)
の
悪
(
あく
)
皆
(
みな
)
焉
(
これ
)
に
帰
(
き
)
すればなり。
子貢がいった。――
「
殷
(
いん
)
の
紂王
(
ちゅうおう
)
の悪行も実際はさほどではなかったらしい。しかし、今では罪悪の溜池ででもあったかのようにいわれている。だから君子は道徳的低地にいて、天下の衆悪が一身に帰せられるのをにくむのだ」(下村湖人『現代訳論語』)