◀前 【19.子張:第19】 次▶孟氏使陽膚爲士師。問於曾子。曾子曰。上失其道。民散久矣。如得其情。則哀矜而勿喜。
孟氏、陽膚をして士師為らしむ。曾子に問う。曾子曰く、上其の道を失い、民散ずること久し。如し其の情を得ば、則ち哀矜して喜ぶこと勿れ。
孟氏が陽膚を司法官に任用した。陽膚は曾先生に司法官としての心得をたずねた。曾先生はいわれた。――
「政道がみだれ、民心が離散してすでに久しいものだ。だから人民の罪状をつかんでも、なるだけあわれみをかけてやるがいい。罪状をつかんだのを手柄に思って喜ぶようなことがあってはならないのだ」(下村湖人『現代訳論語』)