◀前 【19.子張:第10】 次▶子夏曰。君子信而後勞其民。未信則以爲厲己也。信而後諫。未信。則以爲謗己也。
子夏曰く、君子は信ぜられて而る後に其の民を労す。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を厲ますと為すなり。信ぜられて而る後に諫む。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を謗ると為すなり。
子夏がいった。――
「君子は人民の信頼を得てしかるのちに彼等を公けのことに働かせる。信頼を得ないで彼等を働かせると、彼らは自分たちが苦しめられているように思うだろう。また、君子は君主の信任を得てしかるのちに君主をいさめる。まだ信任されないうちにいさめると、君主は自分がそしられているように思うだろう」(下村湖人『現代訳論語』)