◀前 【18.微子:第10】 次▶周公謂魯公曰。君子不施其親。不使大臣怨乎不以。故舊無大故。則不棄也。無求備於一人。
周公、魯公に謂いて曰く、君子は其の親を施てず。大臣をして以いられざるを怨ましめず。故旧は大故無ければ、則ち棄てざるなり。備わるを一人に求むること無かれ。
周公が魯公にいわれた。――
「君主たるものは親族を見捨てるものではない。大臣をして信任のうすきをかこたせてはならぬ。古くからの臣下は、重大な理由がなければ棄てないがいい。一人の人に何もかも備わるのを求めてはならぬ」(下村湖人『現代訳論語』)