◀前 【18.微子:第03】 次▶齊景公待孔子曰。若季氏。則吾不能。以季孟之間待之。曰。吾老矣。不能用也。孔子行。
斉の景公孔子を待つに曰く、季氏のごとくするは、則ち吾能わず。季・孟の間を以て之を待たん。曰く、吾老いたり。用うること能わざるなりと。孔子行る。
斉の景公が、先師を採用するにつき、その待遇のことでいった。――
「季氏ほどに待遇してやることは、とても力に及ばないので、季氏と孟氏との間ぐらいのところにしたいと思う」
しかし、あとになって、またいった。
「自分も、もうこの老年になっては、孔子のような遠大な理想をもっている人を用いても仕方があるまい」
先師はそのことをもれ聞かれて、斉の国を去られた。(下村湖人『現代訳論語』)