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子曰。予欲無言。子貢曰。子如不言。則小子何述焉。子曰。天何言哉。四時行焉。百物生焉。天何言哉。
のたまわく、われうことからんとほっす。こういわく、わずんば、すなわしょうなにをかべん。のたまわく、てんなにをかわんや。四時しじおこなわれ、ひゃくぶつしょうず。てんなにをかわんや。
先師がいわれた。――
「私はもう沈黙したいと思っている」
子貢がいった。――
「先生がもし沈黙なさいましたら、私ども門人は何をよりどころにして、道をひろめましょう」
先師がいわれた。――
「天を見るがいい。天になんの言葉があるのか。しかも四季の変化は整然と行なわれ、万物はたゆみなく生育している。天になんの言葉があるのか」(下村湖人『現代訳論語』)