◀前 【17.陽貨:第19】 次▶子曰。予欲無言。子貢曰。子如不言。則小子何述焉。子曰。天何言哉。四時行焉。百物生焉。天何言哉。
子曰く、予言うこと無からんと欲す。子貢曰く、子如し言わずんば、則ち小子何をか述べん。子曰く、天何をか言わんや。四時行われ、百物生ず。天何をか言わんや。
先師がいわれた。――
「私はもう沈黙したいと思っている」
子貢がいった。――
「先生がもし沈黙なさいましたら、私ども門人は何をよりどころにして、道をひろめましょう」
先師がいわれた。――
「天を見るがいい。天になんの言葉があるのか。しかも四季の変化は整然と行なわれ、万物はたゆみなく生育している。天になんの言葉があるのか」(下村湖人『現代訳論語』)