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子曰。鄙夫可與事君也與哉。其未得之也。患得之。既得之。患失之。苟患失之。無所不至矣。
のたまわく、鄙夫ひふともきみつかうべけんや。いまこれざるや、これんことをうれう。すでこれれば、これうしなわんことをうれう。いやしくもこれうしなわんことをうれうれば、いたらざるところし。
先師がいわれた。――
「心事の陋劣な人とは、とうていいっしょに君に仕えることができない。そういう人は、まだ地位を得ないうちは、それを得たいとあせるし、いったんそれを得ると、それを失うまいとあせるし、そして、それを失うまいとあせり出すと、今度はどんなことでもしかねないのだから」(下村湖人『現代訳論語』)