◀前 【17.陽貨:第05】 次▶公山弗擾。以費畔。召。子欲往。子路不説曰。末之也已。何必公山氏之之也。子曰。夫召我者。而豈徒哉。如有用我者。吾其爲東周乎。
公山弗擾、費を以て畔く。召す。子往かんと欲す。子路説ばずして曰く、之く末からんのみ。何ぞ必ずしも公山氏に之れ之かんや。子曰く、夫れ我を召す者は、豈に徒ならんや。如し我を用うる者有らば、吾は其れ東周と為さんか。
公山弗擾が、費に立てこもってそむいたとき、先師を招いた。先師はその招きに応じて行こうとされた。子路はそれをにがにがしく思って、いった。――
「おいでになってはいけません。人もあろうに、なんでわざわざ公山氏などのところへおいでになるのです」
先師がいわれた。――
「いやしくも私を招くのだ。いいかげんな考えからではあるまい。私は、私を用いるものがあったら、第二の周をこの東方に建設しないではおかないつもりだ」(下村湖人『現代訳論語』)