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【15.衛霊公:第34】
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子曰。民之於仁也。甚於水火。水火吾見蹈而死者矣。未見蹈仁而死者也。
子
(
し
)
曰
(
のたまわ
)
く、
民
(
たみ
)
の
仁
(
じん
)
に
於
(
お
)
けるや、
水
(
すい
)
火
(
か
)
よりも
甚
(
はなは
)
だし。
水
(
すい
)
火
(
か
)
は
吾
(
われ
)
蹈
(
ふ
)
みて
死
(
し
)
する
者
(
もの
)
を
見
(
み
)
る。
未
(
いま
)
だ
仁
(
じん
)
を
蹈
(
ふ
)
みて
死
(
し
)
する
者
(
もの
)
を
見
(
み
)
ざるなり。
先師がいわれた。――
「人民にとって、仁は水や火よりも大切なものである。私は水や火にとびこんで死んだものを見たことがあるが、まだ仁にとびこんで死んだものを見たことがない」(下村湖人『現代訳論語』)