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子曰。吾猶及史之闕文也。有馬者借人乘之。今亡矣夫。
のたまわく、われ闕文けつぶんおよべり。うまものひとしてこれらしむ。いまきかな。
先師がいわれた。――
「私の子供のころには、まだ人間が正直で、いいことが行なわれていた。たとえば、史官が疑わしい点があると、調査研究がすむまでは、そこを空白にしておくとか、馬の所有者は気持よく人に貸して乗らせるとかいうことだ。ところが、今はそういうことがまるでなくなってしまった」(下村湖人『現代訳論語』)