◀前 【15.衛霊公:第06】 次▶子曰。直哉史魚。邦有道如矢。邦無道如矢。君子哉蘧伯玉。邦有道則仕。邦無道則可卷而懷之。
子曰く、直なるかな史魚。邦に道有れば矢のごとく、邦に道無きも矢のごとし。君子なるかな蘧伯玉、邦に道有れば則ち仕え、邦に道無ければ則ち巻きて之を懐にすべし。
先師がいわれた。――
「史魚はなんという真っ直ぐな人だろう。国に道があっても矢のように真っ直ぐであり、国に道がなくても矢のように真っ直ぐだ」
またいわれた。――
「蘧伯玉はなんという見事な君子だろう。国に道があれば出て仕え、国に道がなければただちに才能を巻いて懐におさめる」(下村湖人『現代訳論語』)