◀前 【14.憲問:第41】 次▶
子路宿於石門。晨門曰。奚自。子路曰。自孔氏。曰。是知其不可。而爲之者與。
子路しろ石門せきもん宿しゅくす。晨門しんもんいわく、いずりする。子路しろいわく、こうりす。いわく、不可ふかなるをりて、しかこれさんとするものか。
子路が石門せきもんに宿って、翌朝関所を通ろうとすると、門番がたずねた。――
「どちらからおいでですかな」
子路がこたえた。――
「孔家のものです」
すると門番がいった。――
「ああ、あの、だめなことがわかっていながら、思いきりわるくまだやっている人のうちの方ですかい」(下村湖人『現代訳論語』)