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【14.憲問:第36】
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或曰。以德報怨。何如。子曰。何以報德。以直報怨。以德報德。
或
(
ある
)
ひと
曰
(
いわ
)
く、
徳
(
とく
)
を
以
(
もっ
)
て
怨
(
うら
)
みに
報
(
むく
)
ゆる。
何如
(
いかん
)
。
子
(
し
)
曰
(
のたまわ
)
く、
何
(
なに
)
を
以
(
もっ
)
て
徳
(
とく
)
に
報
(
むく
)
いん。
直
(
なお
)
きを
以
(
もっ
)
て
怨
(
うら
)
みに
報
(
むく
)
い、
徳
(
とく
)
を
以
(
もっ
)
て
徳
(
とく
)
に
報
(
むく
)
いん。
ある人がたずねた。――
「怨みに報いるに徳をもってしたら、いかがでございましょう」
先師がこたえられた。――
「それでは徳に報いるのには、何をもってしたらいいかね。怨みには正しさをもって報いるがいいし、徳には徳をもって報いるがいい」(下村湖人『現代訳論語』)