◀前 【13.子路:第28】 次▶子路問曰。何如斯可謂之士矣。子曰。切切偲偲。怡怡如也。可謂士矣。朋友切切偲偲。兄弟怡怡。
子路問いて曰く、何如なるを斯れ之を士と謂うべきか。子曰く、切切・偲偲・怡怡如たるを、士と謂うべし。朋友には切切・偲偲、兄弟には怡怡。
子路がたずねた。――
「どういう人物を士というのでございましょう」
先師がこたえられた。――
「こまやかな情愛、かゆいところに手のとどくような親切心、春風のようにやわらかで温かい物ごし、そうしたものが士にはそなわっていなければならない。とりわけ朋友に対しては情をこまやかにして、懇切に交わるがいいし、兄弟に対しては顔色をやわらげることに気をつけるがいい」(下村湖人『現代訳論語』)