◀前 【13.子路:第22】 次▶子曰。南人有言。曰。人而無恆。不可以作巫醫。善夫。不恆其德。或承之羞。子曰。不占而已矣。
子曰く、南人言えること有り。曰く、人にして恒無くば、以て巫医を作すべからずと。善いかな。其の徳を恒にせざれば、或いは之に羞を承くと。子曰く、占わざるのみ。
先師がいわれた。――
「南国の人の諺に、人間の移り気だけには、祈禱師のお祈りも役に立たないし、医者の薬もきかない、ということがあるが、名言だ。また、易経に、徳がぐらついていると、いつかは、だれかに恥辱というお土産をいただくだろう、という言葉があるが、これもまちがいのないことだ」(下村湖人『現代訳論語』)