◀前 【13.子路:第14】 次▶冉子退朝。子曰。何晏也。對曰。有政。子曰。其事也。如有政。雖不吾以。吾其與聞之。
冉子朝より退く。子曰く、何ぞ晏きや。対えて曰く、政有り。子曰く、其れ事ならん。如し政有らば、吾を以いずと雖も、吾其れ之を与り聞かん。
冉先生が役所から退出してこられると、先師がたずねられた。――
「どうしてこんなにおそくなったのかね」
冉先生がこたえられた。――
「政治上の相談がひまどりまして」
先師がいわれた。――
「いや、そうではあるまい。季氏一家の私事ではなかったかね。もし政治向きのことであれば私にも相談があるはずだ」(下村湖人『現代訳論語』)