◀前 【13.子路:第09】 次▶
子適衛。冉有僕。子曰。庶矣哉。冉有曰。既庶矣。又何加焉。曰。富之。曰。既富矣。又何加焉。曰。教之。
えいく。冉有ぜんゆうぼくたり。のたまわく、おおきかな。冉有ぜんゆういわく、すでおおし。またなにをかくわえん。いわく、これまさん。いわく、すでめり。またなにをかくわえん。いわく、これおしえん。
先師が衛に行かれた時、冉有がお供をして馬車を御していた。先師はいわれた。――
「この国の人口は大したものだ」
すると再有がたずねた。――
「これだけ人が集れば結構でございますが、この上は、どういうことに力を注ぐべきでございましょう」
先師――
「経済生活をゆたかにしてやりたいね」
冉有――
「もし経済生活がゆたかになりましたら、その次には?」
先師――
「文教を盛んにすることだ」(下村湖人『現代訳論語』)