◀前 【13.子路:第08】 次▶子謂衛公子荊。善居室。始有曰。苟合矣。少有曰。苟完矣。富有曰。苟美矣。
子、衛の公子荊を謂う、善く室に居る。始めて有るに曰く、苟か合まる。少しく有るに曰く、苟か完し。富んに有るに曰く、苟か美し。
衛の公子荊のことについて、先師がいわれた。――
「あの人は家庭経済をよく心得て、おごらなかった人だ。はじめ型ばかりの家財があった時に、どうやらまにあいそうだといい、少し家財がふえると、どうやらこれで十分だといい、足りないものがないようになると、いささか華美になりすぎたといった」(下村湖人『現代訳論語』)