◀前 【13.子路:第02】 次▶
仲弓爲季氏宰。問政。子曰。先有司。赦小過。舉賢才。曰。焉知賢才而舉之。曰。舉爾所知。爾所不知。人其舎諸。
仲弓ちゅうきゅう季氏きしさいり、まつりごとう。のたまわく、ゆうさきにし、しょうゆるし、賢才けんさいげよ。いわく、いずくんぞ賢才けんさいりてこれげん。いわく、なんじところげよ。なんじらざるところは、ひとこれてんや。
仲弓ちゅうきゅうが魯の大夫季氏の執事となったときに、政治について先師にたずねた。先師がいわれた。――
「それぞれの係の役人を先に立てて働かせるがいい。小さな過失は大目に見るがいい。賢才を挙用することを忘れないがいい」
仲弓がたずねた。――
「賢才を挙用すると申しましても、もれなくそれを見いだすことはむずかしいと存じますが――」
先師がいわれた。――
「それは心配ない。お前の知っている賢才を挙用さえすれば、お前の知らない賢才は、人がすててはおかないだろう」(下村湖人『現代訳論語』)