◀前 【12.顔淵:第02】 次▶
仲弓問仁。子曰。出門如見大賓。使民如承大祭。己所不欲。勿施於人。在邦無怨。在家無怨。仲弓曰。雍雖不敏。請事斯語矣。
仲弓ちゅうきゅうじんう。のたまわく、もんでては大賓たいひんるがごとくし、たみ使つかうには大祭たいさいくるがごとくす。おのれほっせざるところは、ひとほどこすことなかれ。くにりてもうらく、いえりてもうらし、と。仲弓ちゅうきゅういわく、ようびんなりといえども、こととせん、と。
仲弓が仁についてたずねた。先師はこたえられた。――
「門を出て社会の人と交わる時には、地位の高下を問わず、貴賓にまみえるように敬虔であるがいい。人民に義務を課する場合には、天地宗廟の神々を祭る時のように、恐懼するがいい。自分が人にされたくないことを、人に対して行なってはならない。もしそれだけのことができたら、国に仕えても、家にあっても、平和を楽しむことができるだろう」
仲弓がいった。――
「まことにいたらぬ者でございますが、お示しのことを一生の守りにいたしたいと存じます」(下村湖人『現代訳論語』)