◀前 【11.先進:第18】 次▶
子曰。回也其庶乎。屢空。賜不受命。而貨殖焉。億則屢中。
のたまわく、かいちかからんか。屢〻しばしばむなし。めいけずして貨殖かしょくす。はかればすなわ屢〻しばしばあたる。
先師がいわれた。――
「回の境地はまず理想に近いだろう。財布が空になることはしばしばだが、いつも天命に安んじ、道を楽しんでいる。はまだ天命に安んじないで、財を作るのにかなり骨を折っているようだ。しかし、判断は正しいし、考えさえすれば、道にはずれるようなことはめったにないだろう」(下村湖人『現代訳論語』)