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【11.先進:第14】
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子曰。由之瑟。奚爲於丘之門。門人不敬子路。子曰。由也升堂矣。未入於室也。
子
(
し
)
曰
(
のたまわ
)
く、
由
(
ゆう
)
の
瑟
(
しつ
)
、
奚
(
なん
)
為
(
す
)
れぞ
丘
(
きゅう
)
の
門
(
もん
)
に
於
(
お
)
いてせんと。
門人
(
もんじん
)
子路
(
しろ
)
を
敬
(
けい
)
せず。
子
(
し
)
曰
(
のたまわ
)
く、
由
(
ゆう
)
や
堂
(
どう
)
に
升
(
のぼ
)
れり。
未
(
いま
)
だ
室
(
しつ
)
に
入
(
い
)
らざるなり。
先師がいわれた。――
「
由
(
ゆう
)
の
瑟
(
しつ
)
は、私の家では弾いてもらいたくないな」
それをきいた門人たちは、とかく子路を軽んずる風があった。すると、先師はいわれた。――
「由はすでに堂にのぼっている。まだ室に入らないだけのことだ」(下村湖人『現代訳論語』)