◀前
【11.先進:第13】
次▶
魯人爲長府。閔子騫曰。仍舊貫。如之何。何必改作。子曰。夫人不言。言必有中。
魯
(
ろ
)
人
(
ひと
)
長
(
ちょう
)
府
(
ふ
)
を
為
(
つく
)
る。
閔
(
びん
)
子
(
し
)
騫
(
けん
)
曰
(
いわ
)
く、
旧
(
きゅう
)
貫
(
かん
)
に
仍
(
よ
)
らば、
之
(
これ
)
を
如何
(
いかん
)
。
何
(
なん
)
ぞ
必
(
かなら
)
ずしも
改
(
あらた
)
め
作
(
つく
)
らん。
子
(
し
)
曰
(
のたまわ
)
く、
夫
(
か
)
の
人
(
ひと
)
言
(
い
)
わず、
言
(
い
)
えば
必
(
かなら
)
ず
中
(
あた
)
る
有
(
あ
)
り。
魯
(
ろ
)
の当局が
長
(
ちょう
)
府
(
ふ
)
を改築しようとした。それについて、
閔
(
びん
)
子
(
し
)
騫
(
けん
)
がいった。――
「これまでの建物を修理したらいい。何も改築する必要はあるまい」
先師はそれを伝えきいていわれた。――
「あの男はめったに物をいわないが、いえば必ず図星にあたる」(下村湖人『現代訳論語』)