◀前 【11.先進:第11】 次▶季路問事鬼神。子曰。未能事人。焉能事鬼。曰。敢問死。曰。未知生。焉知死。
季路、鬼神に事うることを問う。子曰く、未だ人に事うること能わず、焉んぞ能く鬼に事えん。曰く、敢えて死を問う。曰く、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。
季路が鬼神に仕える道を先師にたずねた。先師がこたえられた。――
「まだ人に仕える道もわからないで、どうして鬼神に仕える道がわかろう」
季路がかさねてたずねた。――
「では、死とはなんでありましょうか」
すると先師がこたえられた。――
「まだ生がなんであるかわからないのに、どうして死がなんであるかがわかろう」(下村湖人『現代訳論語』)