◀前 【11.先進:第10】 次▶顏淵死。門人欲厚葬之。子曰。不可。門人厚葬之。子曰。回也。視予猶父也。予不得視猶子也。非我也。夫二三子也。
顔淵死す。門人厚く之を葬らんと欲す。子曰く、不可なりと。門人厚く之を葬る。子曰く、回や予を視ること猶お父のごとくせり。予は視ること猶お子のごとくするを得ざるなり。我には非ざるなり。夫の二三子なり。
顔淵が死んだ。門人たちが彼のために葬儀を盛大にしようともくろんだ。先師はそれを「いけない」といって、とめられたが、門人たちはかまわず盛大な葬儀をやってしまった。すると先師はいわれた。――
「回は私を父のように思っていてくれた。私も彼を自分の子供同様に葬ってやりたかったが、それができなかった。それは私のせいではない。みんなおまえたちのせいなのだ」(下村湖人『現代訳論語』)