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色斯舉矣。翔而後集。曰。山梁雌雉。時哉時哉。子路共之。三嗅而作。
いろみてここがり、かけりてしかのちとどまる。いわく、さんりょう雌雉しちときなるかな、ときなるかな。子路しろこれきょうす。たびぎてつ。
人のさま あやしと見てか、
鳥のむれ 空にとび立ち
舞い舞いて 輪を描きしが、
やがてまた 地にひそまりぬ。

師はいえり「み山の橋の
きじらは 時のよろしも、
雌雉らは 時のよろしも」

子路ききて かいななでつつ、
雌雉らを とらんと寄れば、
雌雉らは 三たび鳴き
舞い立ちぬ いずくともなく。(下村湖人『現代訳論語』)