◀前 【10.郷党:第18】 次▶色斯舉矣。翔而後集。曰。山梁雌雉。時哉時哉。子路共之。三嗅而作。
色みて斯に挙がり、翔りて而る後に集まる。曰く、山梁の雌雉、時なるかな、時なるかな。子路之を共す。三たび嗅ぎて作つ。
人のさま あやしと見てか、
鳥のむれ 空にとび立ち
舞い舞いて 輪を描きしが、
やがてまた 地にひそまりぬ。
師はいえり「み山の橋の
雌雉らは 時のよろしも、
雌雉らは 時のよろしも」
子路ききて 腕なでつつ、
雌雉らを とらんと寄れば、
雌雉らは 三たび鳴き交い
舞い立ちぬ いずくともなく。(下村湖人『現代訳論語』)