◀前 【10.郷党:第13】 次▶君賜食。必正席。先嘗之。君賜腥。必熟而薦之。君賜生。必畜之。侍食於君。君祭先飯。疾。君視之。東首。加朝服。拖紳。君命召。不俟駕行矣。
君、食を賜えば、必ず席を正して先ず之を嘗む。君、腥を賜えば、必ず熟して之を薦む。君、生を賜えば、必ず之を畜う。君に侍食するに、君祭れば先ず飯す。疾むとき、君之を視れば、東首し、朝服を加え、紳を拖く。君、命じて召せば、駕を俟たずして行く。
君公から料理を賜わると、必ず席を正し、まずみずからそれをいただかれ、あとを家人にわけられる。君公から生肉を賜わると、それを調理して、まず先祖の霊に供えられる。君公から生きた動物を賜わると、必ずそれを飼っておかれる。君公に陪食を仰せつかると、君公が食前の祭をされている間に、必ず毒味をされる。病気の時、君公の見舞をうけると、東を枕にし、寝具に礼服をかけ、その上に束帯をおかれる。君公のお召しがあると、車馬の用意をまたないでお出かけになる。(下村湖人『現代訳論語』)