◀前 【09.子罕:第30】 次▶唐棣之華。偏其反而。豈不爾思。室是遠而。子曰。未之思也夫。何遠之有。
唐棣の華、偏として其れ反せり。豈に爾を思わざらんや。室是れ遠ければなり。子曰く、未だ之を思わざるかな。何の遠きことか之有らん。
民謡にこういうのがある。
ゆすらうめの木
花咲きゃ招く、
ひらりひらりと
色よく招く。
招きゃこの胸
こがれるばかり、
道が遠くて
行かりゃせぬ。
先師はこの民謡をきいていわれた。――
「まだ思いようが足りないね。なあに、遠いことがあるものか」(下村湖人『現代訳論語』)