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【09.子罕:第13】
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子欲居九夷。或曰陋。如之何。子曰。君子居之。何陋之有。
子
(
し
)
、
九
(
きゅう
)
夷
(
い
)
に
居
(
お
)
らんと
欲
(
ほっ
)
す。
或
(
ある
)
ひと
曰
(
いわ
)
く、
陋
(
ろう
)
なり。
之
(
これ
)
を
如何
(
いかん
)
せん。
子
(
し
)
曰
(
のたまわ
)
く、
君
(
くん
)
子
(
し
)
之
(
これ
)
に
居
(
お
)
らば、
何
(
なん
)
の
陋
(
ろう
)
か
之
(
これ
)
有
(
あ
)
らん。
先師が道の行なわれないのを嘆じて
九
(
きゅう
)
夷
(
い
)
の地に居をうつしたいといわれたことがあった。ある人がそれをきいて先師にいった。――
「野蛮なところでございます。あんなところに、どうしてお住居ができましょう」
すると先師はいわれた。――
「君子が行って住めば、いつまでも野蛮なこともあるまい」(下村湖人『現代訳論語』)