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子畏於匡。曰。文王既没。文不在茲乎。天之將喪斯文也。後死者。不得與於斯文也。天之未喪斯文也。匡人其如予何。
きょうす。いわく、文王ぶんおうすでぼっし、ぶんここらずや。てんまさぶんほろぼさんとするや、こうものぶんあずかるをざるなり。てんいまぶんほろぼさざるや、きょうひとわれ如何いかんせん。
先師がきょうで遭難された時いわれた。――
「文王がなくなられた後、文という言葉の内容をなす古聖の道は、天意によってこの私に継承されているではないか。もしその文をほろぼそうとするのが天意であるならば、なんで、後の世に生れたこの私に、文に親しむ機会が与えられよう。文をほろぼすまいというのが天意であるかぎり、匡の人たちが、いったい私に対して何ができるというのだ」(下村湖人『現代訳論語』)