◀前 【08.泰伯:第19】 次▶子曰。大哉。堯之爲君也。巍巍乎。唯天爲大。唯堯則之。蕩蕩乎。民無能名焉。巍巍乎。其有成功也。煥乎。其有文章。
子曰く、大なるかな、堯の君たるや。巍巍乎として、唯だ天を大なりと為し、唯だ堯のみ之に則る。蕩蕩乎として、民能く名づくること無し。巍巍乎として、其れ成功有り。煥乎として、其れ文章有り。
先師がいわれた。――
「堯帝の君徳はなんと大きく、なんと荘厳なことであろう。世に真に偉大なものは天のみであるが、ひとり堯帝は天とその偉大さをともにしている。その徳の広大無辺さはなんと形容してよいかわからない。人はただその功業の荘厳さと文物制度の燦然たるとに眼を見はるのみである」(下村湖人『現代訳論語』)