◀前 【08.泰伯:第13】 次▶子曰。篤信好學。守死善道。危邦不入。亂邦不居。天下有道則見。無道則隱。邦有道。貧且賤焉。恥也。邦無道。富且貴焉。恥也。
子曰く、篤く信じて学を好み、死を守りて道を善くす。危邦には入らず、乱邦には居らず。天下道有れば則ち見われ、道無ければ則ち隠る。邦に道有るに、貧しく且つ賤しきは恥なり。邦に道無きに、富み且つ貴きは恥なり。
先師がいわれた。――
「篤く信じて学問を愛せよ。生死をかけて道を育てよ。乱れるきざしのある国にははいらぬがよい。すでに乱れた国にはとどまらぬがよい。天下に道が行なわれている時には、出でて働け。通がすたれている時には、退いて身を守れ。国に道が行なわれていて、貧賤であるのは恥だ。国に道が行なわれないで、富貴であるのも恥だ」(下村湖人『現代訳論語』)