◀前 【08.泰伯:第02】 次▶
子曰。恭而無禮則勞。愼而無禮則葸。勇而無禮則亂。直而無禮則絞。君子篤於親。則民興於仁。故舊不遺。則民不偸。
のたまわく、きょうにしてれいければすなわろうす。しんにしてれいなければすなわおそる。ゆうにしてれいなければすなわみだる。ちょくにしてれいなければすなわせまし。くんしんあつければ、すなわたみじんおこる。きゅうわすれざれば、すなわたみうすからず。
先師がいわれた。――
「恭敬なのはよいが、それが礼にかなわないと窮屈になる。慎重なのはよいが、それが礼にかなわないと臆病になる。勇敢なのはよいが、それが礼にかなわないと、不逞になる。剛直なのはよいが、それが礼にかなわないと苛酷になる。」
またいわれた。――
「上に立つ者が親族に懇篤であれば、人民はおのずから仁心を刺戟される。上に立つ者が故旧を忘れなければ、人民はおのずから浮薄の風に遠ざかる」(下村湖人『現代訳論語』)