◀前 【07.述而:第33】 次▶子曰。若聖與仁。則吾豈敢。抑爲之不厭。誨人不倦。則可謂云爾已矣。公西華曰。正唯。弟子不能學也。
子曰く、聖と仁とのごときは、則ち吾豈に敢えてせんや。抑も之を為びて厭わず、人を誨えて倦まざるは、則ち云爾と謂うべきのみ。公西華曰く、正に唯だ弟子学ぶ能わざるなり。
先師がいわれた。――
「聖とか仁とかいうほどの徳は、私には及びもつかないことだ。ただ私は、その境地をめざしてあくことなく努力している。また私の体験をとおして倦むことなく教えている。それだけが私の身上だ。」
すると、公西華がいった。――
「それだけとおっしゃいますが、そのそれだけが私たち門人にはできないことでございます」(下村湖人『現代訳論語』)