◀前 【06.雍也:第20】 次▶
樊遅問知。子曰。務民之義。敬鬼神而遠之。可謂知矣。問仁。曰。仁者先難而後獲。可謂仁矣。
はんう。のたまわく、たみつとめ、しんけいしてこれとおざく。うべし。じんう。いわく、仁者じんしゃかたきをさきにしてるをのちにす。じんうべし。
はんが知について先師の教えを乞うた。先師がこたえられた。――
「ひたすら現実社会の人倫の道に精進して、超自然界の霊は敬して遠ざける、それを知というのだ」
樊遅はさらに仁について教えを乞うた。先師がこたえられた。――
「仁者は労苦を先にして利得を後にする。仁とはそういうものなのだ」(下村湖人『現代訳論語』)