◀前 【06.雍也:第12】 次▶子游爲武城宰。子曰。女得人焉耳乎。曰。有澹臺滅明者。行不由徑。非公事。未嘗至於偃之室也。
子游、武城の宰と為る。子曰く、女、人を得たるか。曰く、澹台滅明なる者有り。行くに径に由らず。公事に非ざれば、未だ嘗て偃の室に至らざるなり。
子游は武城の代官をつとめていたが、ある時、先師が彼にたずねられた。――
「部下にいい人物を見つけたかね」
子游がこたえた。――
「澹台滅明という人物がおります。この人間は、決して近道やぬけ道を歩きません。また公用でなければ、決して私の部屋にはいって来たことがございません」(下村湖人『現代訳論語』)