◀前 【06.雍也:第10】 次▶
冉求曰。非不説子之道。力不足也。子曰。力不足者。中道而廢。今女畫。
ぜんきゅういわく、みちよろこばざるにあらず。ちかららざるなり。のたまわく、ちかららざるものは、中道ちゅうどうにしてはいす。いまなんじかぎれり。
ぜんきゅうがいった。――
「先生のお説きになる道に心をひかれないのではありません。ただ、何分にも私の力が足りませんので……」
すると、先師はいわれた。
「力が足りないかどうかは、こんかぎり努力してみたうえでなければ、わかるものではない。ほんとうに力が足りなければ中途でたおれるまでのことだ。おまえはたおれもしないうちから、自分の力にみきりをつけているようだが、それがいけない」(下村湖人『現代訳論語』)