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子曰。道不行。乘桴浮于海。從我者其由與。子路聞之喜。子曰。由也好勇過我。無所取材。
のたまわく、みちおこなわれず、いかだりてうみうかばん。われしたがものゆうなるか。子路しろこれきてよろこぶ。のたまわく、ゆうゆうこのむことわれぎたり。ざいところし。
先師がいわれた。――
「私の説く治国の道も、とうてい行なわれそうにないし、そろそろいかだにでも乗って海外に出ようと思うが、いよいよそうなった場合、私について来てくれるのは、ゆうかな」
子路はそれをきいて大喜びであった。すると先師がまたいわれた。――
「ところで、ゆうは、勇気を愛する点では私以上だが、分別が足りないので、いささか心細いね」(下村湖人『現代訳論語』)