◀前 【05.公冶長:第06】 次▶子曰。道不行。乘桴浮于海。從我者其由與。子路聞之喜。子曰。由也好勇過我。無所取材。
子曰く、道行われず、桴に乗りて海に浮ばん。我に従う者は其れ由なるか。子路、之を聞きて喜ぶ。子曰く、由や勇を好むこと我に過ぎたり。材を取る所無し。
先師がいわれた。――
「私の説く治国の道も、とうてい行なわれそうにないし、そろそろ桴にでも乗って海外に出ようと思うが、いよいよそうなった場合、私について来てくれるのは、由かな」
子路はそれをきいて大喜びであった。すると先師がまたいわれた。――
「ところで、由は、勇気を愛する点では私以上だが、分別が足りないので、いささか心細いね」(下村湖人『現代訳論語』)