◀前 【03.八佾:第15】 次▶子入太廟。毎事問。或曰。孰謂鄹人之子知禮乎。入太廟。毎事問。子聞之曰。是禮也。
子、太廟に入りて、事毎に問う。或ひと曰く、孰か鄹人の子を、礼を知ると謂うや。太廟に入りて事毎に問う。子之を聞きて曰く、是れ礼なり。
先師が大廟に入って祭典の任に当られた時、事ごとに係の人に質問された。それをある人があざけっていった。
「あの鄹の田舎者のせがれが、礼に通じているなどとは、いったいだれがいいだしたことなのだ。大廟にはいって事ごとに質問しているではないか」
先師はこれをきかれて、いわれた。――
「慎重にきくのが礼なのだ」(下村湖人『現代訳論語』)