◀前 【03.八佾:第13】 次▶王孫賈問曰。與其媚於奧。寧媚於竈。何謂也。子曰。不然。獲罪於天。無所禱也。
王孫賈、問いて曰く、其の奥に媚びんよりは、寧ろ竈に媚びよ、とは何の謂ぞや。子曰く、然らず、罪を天に獲れば、禱る所無きなり。
王孫賈が先師にたずねた。――
「奥の神様にこびるよりは、むしろ竈の神様にこびよ、ということわざがございますが、どうお考えになりますか」
先師がこたえられた。――
「いけませぬ。大切なことは罪を天に得ないように心がけることです。罪を天に得たら、どんな神様に祈っても甲斐がありませぬ」(下村湖人『現代訳論語』)