◀前 【03.八佾:第06】 次▶季氏旅於泰山。子謂冉有曰。女弗能救與。對曰。不能。子曰。嗚呼。曾謂泰山不如林放乎。
季氏、泰山に旅す。子、冉有に謂いて曰く、女救うこと能わざるか。対えて曰く、能わず。子曰く、嗚呼、曽ち泰山を林放に如かずと謂えるか。
季氏が泰山の山祭りをしようとした。先師が冉有にいわれた。――
「お前は季氏の過ちを救うことができないのか」
冉有がこたえた。――
「私の力ではもうだめです」
先師がため息をついていわれた。――
「するとおまえは、泰山の神は林放という一書生にも及ばないと思っているのか」(下村湖人『現代訳論語』)