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季康子問。使民敬忠以勸。如之何。子曰。臨之以莊則敬。孝慈則忠。舉善而教不能則勸。
こうう。たみをして敬忠けいちゅうにして、もっすすましむるには、これ如何いかんせん。のたまわく、これのぞむにそうもってすればすなわけいこうなればすなわちゅうぜんげてのうおしうればすすむ。
大夫のこうがたずねた。――
「人民をしてその支配者に対して敬意と忠誠の念を抱かせ、すすんで善を行なわしめるようにするためには、どうしたらいいでしょうか」
先師はこたえられた。――
「支配者の態度が荘重端正であれば人民は敬意を払います。支配者が親に孝行であり、すべての人に対して慈愛の心があれば、人民は忠誠になります。有徳の人を挙げて、能力の劣った者を教育すれば、人民はおのずから善に励みます」(下村湖人『現代訳論語』)