◀前 【02.為政:第20】 次▶季康子問。使民敬忠以勸。如之何。子曰。臨之以莊則敬。孝慈則忠。舉善而教不能則勸。
季康子問う。民をして敬忠にして、以て勧ましむるには、之を如何せん。子曰く、之に臨むに荘を以てすれば則ち敬、孝慈なれば則ち忠、善を挙げて不能を教うれば勧む。
大夫の季康子がたずねた。――
「人民をしてその支配者に対して敬意と忠誠の念を抱かせ、すすんで善を行なわしめるようにするためには、どうしたらいいでしょうか」
先師はこたえられた。――
「支配者の態度が荘重端正であれば人民は敬意を払います。支配者が親に孝行であり、すべての人に対して慈愛の心があれば、人民は忠誠になります。有徳の人を挙げて、能力の劣った者を教育すれば、人民はおのずから善に励みます」(下村湖人『現代訳論語』)