◀前 【02.為政:第18】 次▶子張學干祿。子曰。多聞闕疑。愼言其餘。則寡尤。多見闕殆。愼行其餘。則寡悔。言寡尤。行寡悔。祿在其中矣。
子張、禄を干むるを学ぶ。子曰く、多く聞きて疑わしきを闕き、慎みて其の余りを言えば尤め寡なし。多く見て殆きを闕き、慎みて其の余りを行えば悔い寡なし。言に尤め寡なく、行いに悔い寡なければ、禄其の中に在り。
子張は求職の方法を知りたがっていた。先師はこれをさとしていわれた。――
「なるだけ多く聞くがいい。そして、疑わしいことをさけて、用心深くたしかなことだけを言っておれば、非難されることが少ない。なるだけ多く見るがいい。そして、あぶないと思うことをさけて、自信のあることだけを用心深く実行しておれば、後悔することが少ない。非難されることが少なく、後悔することが少なければ、自然に就職の道はひらけてくるものだ」(下村湖人『現代訳論語』)