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孟懿子問孝。子曰。無違。樊遲御。子告之曰。孟孫問孝於我。我對曰無違。樊遲曰。何謂也。子曰。生事之以禮。死葬之以禮。祭之以禮。
もう懿子いしこうう。のたまわく、たがうことかれ、と。はんぎょたり。これげていわく、孟孫もうそんこうわれう。われこたえていわく、たがうことかれ、と。樊遲はんちいわく、なんいいぞや、と。のたまわく、きてはこれつかうるにれいもってし、してはこれほうむるにれいもってし、これまつるにれいもってす。
大夫の孟懿もうい子が孝の道を先師にたずねた。すると先師はこたえられた。――
「はずれないようになさるがよろしいかと存じます」
そのあと、はんが先師の車の御者をつとめていた時、先師が彼にいわれた。――
孟孫もうそんが孝の道を私にたずねたので、私はただ、はずれないようになさるがいい、とこたえておいたよ」
はんがたずねた。――
「それはどういう意味でございましょう」
先師がこたえられた。――
「親の存命中は礼をもって仕え、その死後は礼をもって葬り、礼をもって祭る。つまり、礼にはずれないという意味だ」(下村湖人『現代訳論語』)