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有子曰。禮之用。和爲貴。先王之道斯爲美。小大由之。有所不行。知和而和。不以禮節之。亦不可行也。
ゆういわく、れいようたっとしとす。先王せんおうみちこれす。しょうだいこれるも、おこなわれざるところり。りてするも、れいもっこれせっせざれば、おこなうべからざるなり。
ゆう先生がいわれた。――
「礼は、元来、人間の共同生活に節度を与えるもので、本質的には厳しい性質のものである。しかし、そのはたらきの貴さは、結局のところ、のびのびとした自然的な調和を実現するところにある。古聖の道も、やはりそうした調和を実現したればこそ美しかったのだ。だが、事の大小を問わず、何もかも調和一点張りでいこうとすると、うまくいかないことがある。調和は大切であり、それを忘れてはならないが、礼をもってそれに節度を加えないと、生活にしまりがなくなるのである」(下村湖人『現代訳論語』)