【05.公冶長:第09】
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宰予晝寝。子曰。朽木不可雕也。糞土之牆。不可杇也。於予與何誅。子曰。始吾於人也。聽其言而信其行。今吾於人也。聽其言而觀其行。於予與改是。
宰予、昼寝ぬ。子曰く、朽木は雕るべからず。糞土の牆は杇るべからず。予に於いてか何ぞ誅めん。子曰く、始め吾、人に於けるや、其の言を聴きて其の行いを信ぜり。今吾、人に於けるや、其の言を聴きて其の行いを観る。予に於いてか、是を改む。
宰予が昼寝をしていた。すると先師がいわれた。――
「くさった木には彫刻はできない。ぼろ土の塀はうわ塗りをしてもだめだ。おまえのようななまけ者を責めても仕方がない」
それから、しばらくしてまたいわれた。――
「これまで私は、誰でもめいめい口でいうとおりのことを実行しているものだとばかり信じてきたのだ。しかしこれからは、もうそうは信じていられない。いうことと行なうこととが一致しているかどうか、それをはっきりつきとめないと、安心ができなくなってきた。おまえのような人間もいるのだから」(下村湖人『現代訳論語』)
さいよ、ひるいぬ。しのたまわく、きゅうぼくはほるべからず。ふんどのしょうはぬるべからず。よにおいてかなんぞせめん。しのたまわく、はじめわれ、ひとにおけるや、そのげんをききてそのおこないをしんぜり。いまわれ、ひとにおけるや、そのげんをききてそのおこないをみる。よにおいてか、これをあらたむ。