負電位かけた部屋で活性酸素の害を防御
日大薬学部 高橋教授ら
マウス実験で確認(人でも同じ効果を期待)

電子を体に負荷することにより、老化の一因とされる活性酸素の害を防御できることを日本大学薬学部の高橋周七教授らがマウスを使った実験で確認した。

高橋さんは「人でも同じ効果が期待される。負電位をかけた部屋に住めば、老化を抑えられる」とモデルルームの設置を準備している。

高橋さんらは、アースに対してマイナス150ボルトの電位をかけたケージにマウスを1週間入れた後、農薬のパラコートの水溶液を飲ませ、さらに1週間、経過観察した。対象群のマウスにはパラコートを飲ませて普通のケージで飼育した。
パラコートを飲むと、大量に発生した活性酸素によって肺が損傷される。

解剖して各群のマウスの肺を比較すると、対象群のマワスの肺が肥大して、ぼろぼろになっていたのに対し、負電位ケージのマウスの肺は出血などの損傷が抑えられていた。

呼吸によって体内に取り込まれた酸素の2~5%は活性酸素になり、体内の組織を損傷する。皮庸の衰えなどの老化は活性酸素によって引き起こされるとみられている。

高橋さんは「ビタミンCやビタミンEが活性酸素の害を防ぐことは分かっていたが、負電位による効果ははっきり証明されていなかった」と話す。計画中のモデルルームは絶縁体のうえに導電体を敷き、マイナス150ボルトの負電位発生装置を取り付けた設計だという。 【高野聡】
《出典》毎日新聞 (10/04/07) 前頁  次頁